債務整理のいろは|任意整理・個人再生・自己破産とは?-教えてQ&A

債務整理とはなにか?

債務整理とは、クレジットカードの使い過ぎや消費者金融キャッシングでの借りすぎ、その他の借金により、自分の毎月の収入(給料)から生活費を差し引き、残額でこれら金融機関への返済ができなくなってしまった場合の借金整理方法のことを言います。 要するに借金問題を解決して生活再建を促進するための法的手法です。(自己破産などは後述します) もっとも債務整理はたくさんの法律が絡んできますし、未経験の方がほとんどだと思いますので、債務整理を3つに分けて、任意整理のいろは、個人再生のいろは、自己破産のいろはで解説していきたいと思います。

債務整理にはどんな種類があるのか、メリットは?

債務整理には「任意整理・個人再生・自己破産」の3種類があり、負債(借金)の状態や財産の状態によってどの方法で解決するかを決定します。 基本的に債権者と交渉するには専門的な知識(法律)を熟知していなければできないことなので、多くの債務者の方が弁護士や司法書士に債務整理を依頼するケースがほとんどです。

目次

任意整理のいろは

任意整理のいろはです。任意整理とは、法的な解釈や手続きを介さず債権者(お金を貸した人:会社)と債務者(お金を借りた人)が話し合いにより借金を解決する方法です。

あくまでも”任意”のため法律上の強制力はありません。交渉は借り入れしている消費者金融、ローン会社と1社づつ各々個別に交渉を進めていきます。

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たとえばA社・B社・C社の3社から借り入れしている場合、債務整理を引き受けた弁護士や司法書士が各社と個別に交渉し、金利を取り払ったり整理後の支払い年数や回数を決定することになります。一般的には支払い期間3年から5年、回数に直すと最大60回払いとなるケースが多いです。

任意整理のメリットとして代表的なものは、「金利を除いた元本だけの返済」にすることもできるという点です。ただし任意による話し合いでの取り決めであるため、金利のすべてが免除されない場合もある点は認識しておく必要があります。

任意整理の引き直し計算とは

引き直し計算とは、利息制限法(金利年率18.0%以下)を超えた過剰な利息を払っていた場合、引き直し計算により払いすぎていた金利を取り戻して元金へ充当し借金を減額することを言います。

任意整理をする場合に弁護士は、引き直し計算で出た額に対して債務整理交渉を進めます。

簡単な引き直し計算の例をご紹介
70万円の借入金に対する利息制限法に基づく引き直し計算をしたら、金利が減って返済額が40万円になった。

弁護士はこの40万円に対して交渉を進めていくということです。そして話し合いにより債権者側(消費者金融)が金利の免除に合意した場合、40万円に対する毎月の返済額と完済までの期間を決定し和解契約を締結します。

注意点を1点お伝えしておきます。引き直し計算をする場合に弁護士が参照するものは、主に債務者が借り入れや返済のときに受け取る「利用明細書」です。

一部の方は家族に消費者金融からお金を借りている事実がバレないように処分するケースが目立ちます。もし利用明細書などを処分してしまったときには、弁護士が各金融機関に”過去の取引履歴データ”を請求して取り寄せなければならなくなり、手間と時間がかかってしまうので明細書は大切に保管しておきましょう。

エッ!引き直し計算したら債務整理をしなくて済むかも

この項をご説明させていただく前に、”利息制限法とみなし弁済規定”を理解する必要があります。

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まず利息制限法ですが、消費者金融が融資をする場合の最高金利を規定したもので、先にご説明しましとおり現在は(金利年率18.0%以下)でしか貸し付けができません。

この18.0%が現在の上限金利で、これを超えての融資は違法となるということです。

※利息制限法は融資額が

・10万円を超えない場合→年率20.0%

・10万円~100万円未満の場合→18.0%

・100万円以上の場合→15.0%

上記のようになっていますが、ここでは18.0%でお話を進めさせていただきます。

次にみなし弁済規定ですが、1983年に貸金業法43条として制定されました。

では、みなし弁済規定とはどんなものなのでしょうか?簡単な例で解説します。

Aという消費者金融が最高上限金利29.0%で融資を行っていたとします。でも利息制限法の上限金利は18.0%以下です。11.0%も開きがあますよね。

なんだ国が規定した法律よりも11%も高いんじゃ違法じゃないか!!と思われるかもしれませんが、2006年1月以前は、許されたんです。この金利の開きの部分を”グレーゾーン金利”と呼んでいました。

さて!ここでみなし弁済規定が出てくるのですが、2006年にグレーゾーン金利が正式に無効となるまで、出資法の罰則規定がある利息上限29.2%を超えなければ、この枠内で消費者金融は”任意で決めた金利で貸し出す”ことができたのです。

借りる側も、「29%って金利は高いけど、今お金が必要なのでその金利でも貸してくれるなら借りるよ、その金利でも返済していくよ」と、任意で認めて借りたり返済したりというもの!これをみなし弁済というのです。

要するに借りる側が任意(自分の意志)で借りると決めれば融資はOKです。上限金利は29.2%までならねっ!ということでした。

そうするとここで出てくるのが11%もの金利の返還請求です。過払い金請求などでもうご存知の方も多いと思いますが、払いすぎた金利分を取り戻せるのです。

概ね契約期間(利用期間)が長ければ長いほど過払い金が溜まっていることが多く、試算では平均6年以上返済している方は試算してみる価値がおおいにあります。

この過払い金を利用すれば、わざわざ債務整理をしなくても、取り戻したお金で完済することができる可能性が出てきます。6年以上返済している方は、一度”過払い金返還請求”での相談を弁護士の方に相談してみましょう。引き直し計算は過払い金の時も行われる計算方法です。

過払い金請求をするときの重要ポイント(必読)

過払い金返還請求をすれば債務整理をしなくて済むし、お金も戻ってくる、そのお金で完済できる!なんだ良いことずくめじゃないか!!と喜ばれる方が多いのですが、
その反面、過払い金には知らなかったでは済まされない重要事があります。

それは・・・

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・完済している人が過払い金返還請求→個人信用情報機関に掲載されない

・返済金が残っている人が過払い金請求→個人信用情報機関のブラックリストに掲載される

ブラックリストに掲載されると以後、決められた期間は住宅ローンや車のローンが組めず、銀行融資なども受けられないという状況になってしまいます。

これは弁護士があなたの代理人として交渉していたとしても、過払い金は取り戻せますがブラックリストへの不掲載要求はできないので細心の注意が必要です。

返済金が残っている(完済前)の過払い金返還請求で、ブラックリストに掲載されない方法

まず、過払い金返還請求を弁護士に依頼すれば、金利の引き直し計算で”お金がいくら戻るか判明します”。

2016年(平成28年)現在、平均返還額が100万円を超えると言われています。例えばあと30万円で完済の場合、そのまま過払い請求をすればお金は戻りますがブラックリストに掲載されます。完済前の請求ですからね!

ブラックリスト掲載を回避するには、家族でも友人にでも頼んで30万円を借り、一括で返済を完了させてしまうのです。また、お金を借りたいけど確実に返せる証拠を見せないと信用して貸してくれないかも?と思われる方は、弁護士の引き直し計算書や、現在の過払い金請求でいくら取り戻せるかの証明書を出してもらえば相手も信用すると思います。

このときに消費者金融側との契約を完全に終了させてください。消費者金融側では完済が確認された時点で、

「契約を継続しますか?それとも終了しますか?」

という打診が必ずあるので、

契約を終了します。

と伝えてください。契約書は家人に見られてもいい場合は家に郵送してもらう!

家人にバレては困る場合には消費者金融側に処分してもらうことができます。これで完璧です。

家族・親族にバレずに債務整理は可能なのか?

これはハッキリ言ってケースバイケースですが任意整理の場合にはほぼ身内の方に知られずに行うことができます。

というのも民事個人再生や自己破産のケースでは、借金の額が大きいことから家族の協力なしでは債務整理棄却(認められない)場合裁判所が係るので無理なことが多いですが、任意整理の場合には裁判所を通さず、さらに比較的少額事例の場合が多く個人の収入で返済を継続できる可能性が高いので、高い確率で債務者と弁護士だけの秘密事項にしておくことができます。

また、消費者金融から和解締結書などが自宅に届くのでは?とご心配の場合は、すべての連絡、すべての郵送物などを弁護士に届くように手続き開始前に弁護士と打ち合わせておけば大丈夫です。

任意整理後に金融会社から嫌がらせなどされないか心配の方へ

12315948闇金などと違い、大手の金融会社は債務整理後に嫌がらせの電話やメールなどをしてくることは一切ありません。

借金で失敗する人が多い昨今ですが、債務整理をする方は大手の消費者金融で融資を行っている人のうち数パーセントに過ぎず、万が一嫌がらせなどをしてしまった事実が世間に公になったら以後の経営に大きな打撃となってしまいます。

任意整理は正式な法的手続きを踏んで行われる交渉ではありませんが、弁護士が仲介している関係上、万が一嫌がらせなどをしてしまうと逆に刑事告訴などをされる場合も考えられるからです。

また、百匹目のサルではありませんが、こんな問題が公になるとタケノコのように”私もやられた!私も・・・”と、不思議と被害者が名乗り出てくるものです。

ましてや口約束だけでなく、和解の締結書(契約書)を 結ぶくらいですから100%あり得ないことです。

任意整理の手数料(価格)

任意整理をする場合にかかる手数料を詳しくお伝えします。

その前にまず相談から始まると思います。これも弁護士や司法書士で料金が異なり、一般的には30分間の相談で5,000円(+消費税)というパターンが多くなっています。

ですが、弁護士や司法書士の中には相談は初回無料や何回でも無料で対応してくれるところがあるので、今手持ちのお金がなくて相談料を払えないという方には重宝すると思います。

では任意整理の手数料ですが、主に以下のような内訳になっています。

・着手金・・・任意整理を正式に依頼し弁護士が債権者と交渉を始めるというときに支払うもの。
・報酬金・・・任意整理の成功時に個々の弁護士事務所が決定した報酬を支払うもの。
・減額報酬金・・任意整理で金利や元本の減額金が発生した場合に支払うもの。

上記のようになっていますが、ここで個別にみていきたいと思います。

着手金ですが、これは弁護士が債権者(消費者金融やローン会社)との和解交渉(減額交渉)を開始するときに支払う手数料で、交渉の成功・失敗にかかわらず支払わなければなりません。

要するに案件着手にあたり掛かってくる引き直し計算、提出書類の作成などの人件費や作業費、その他経費なので、交渉の成功・失敗には一切関係がありません。

概ね、1件の会社(債権者)との着手金は30,000円前後です。中には着手金無料の事務所もあります。

報酬金ですが、これは案件の交渉が成功したことに対する報酬で、案件規模の大小に関係なく支払うものです。

成功への謝礼と思ってもください。留意しておくべきポイントは、例えばABCという3社との交渉をお願いした場合、A社成功、B社成功、C社失敗となった場合、報酬金が20,000ならば成功×2=40,000円、失敗×1=0円ということになます。

これは1社ずつに各々支払うもので、全体でいくらというものではありません。

減額報酬金ですが、これは実際に減額できた金額の10%や20%を支払うものです。弁護士や司法書士によりパーセンテージが異なるので、正式に依頼する前に確認してください。
これも債権者1件ずつで計算されるので、たとえばA社の減額30万円に成功したときには減額報酬割合10%の場合は3万円。B社の減額50万円に成功したときには5万円となります。

債権者 着手金 報奨金 減額 減額報酬(10%の場合) 実際の減額金合計
A社 3万円 2万円 30万円 3万円 28万円
B社 3万円 2万円 50万円 5万円 40万円
C社 3万円 0万円 0万円 0万円 -3万円
9万円 4万円 80万円
減額に成功
8万円 実質65万円
の減額

・弁護士・司法書士に支払う費用は『21万円』
・80万円もの借金減額に成功した例

そのため法律事務所によっては「実費」を請求されるところもあるので、事前相談のときによく確認してください。

受任通知とはなんですか?

簡単に言ってしまえば、債権者(消費者金融・カード会社)に○○さんの債務整理のため、弁護士(司法書士)である当事務所が代理人として間に入りましたということを正式な書面で通知するということです。

書かれている内容の主なものは・・・

「書面の受理後は、○○さん本人、および親族、勤務先への連絡や取り立て行為を中止してください。」

「本人への直接連絡ではなく、弁護士を通じて連絡を取る事。」

「完済分を含めて過去の取引履歴の提出の要請」

債務者の状況や借入先によっても記載内容は異なります。この通知を弁護士が債権者に送付することにより、取り立て連絡や行為そのものをストップすることができます。

もちろん受任通知が債権者に送られるのは正式に着手(弁護士との債務整理の正式な契約)ができた後です。しかし着手後は通例当日か、遅くとも翌日までには受任通知が送られるので、早めの取り立てストップに有効です。

民事(個人再生)のいろは

個人再生のいろはです。民事(個人)再生手続きとは様々な借金を大幅に圧縮し、返済可能な額まで落とし生活再建を目指すものです。

自己破産手続きのように借金がまるまるチャラ(帳消し)にはなりません。

任意整理のように消費者金融などの借入金だけでなく、(住宅ローンを除く)その他の借金にも幅広く適用されます。債権の確定やその他手続きが複雑であり、さらに”裁判所”を通じて行う正式な法的手続きのため、弁護士や司法書士を仲介人として手続きが行われます。

民事(個人)再生にはどんな種類があるのか、メリットは?

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民事再生(以下個人再生)には次の2つの種類があります。

・小規模個人再生手続き
・給与所得者個人再生手続き

それぞれみていきましょう。

 小規模個人再生とは、サラリーマンと一人事業主(自営業者)の両方を対象としています。個人経営の収入だけでなく、その他で副収入を得ているような場合には弁護士にご相談ください。

 給与所得者等の個人再生手続きとは、会社員(サラリーマン)などの、会社に勤務してそこから給与をもらっている方が対象となります。一人事業主(自営業者)は使えません。

個人再生のメリット(借金がどのくらい減額される?)と注意点

個人再生では、原則的に(住宅ローンを除く)総負債額の五分の四を免除してもらい、五分の一までに圧縮することができます。

注意点ですが、ここは重要なのでよく把握しておいてください。

先ほどお伝えしたように個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者個人再生手続き」の2種類があります。

この2つには債権者の承認(承諾)が必要となり、債権者から個人再生計画案を受け入れますという”許可”がでなければ棄却(手続きを受け入れてもらえない)となります。

たとえば債権者A/B/C/D社がいたとします。この中の”過半数”の会社が棄却した場合、個人再生はできません。A社B社は納得、でもC社D社が納得しなかった場合などです。

ただし、サラリーマンが利用する「給与所得者個人再生手続き」の場合には、棄却者が過半数を超えても個人再生できます。ですからサラリーマンの場合には、当初「小規模個人再生手続き」でいこうと思ったが、今の計画案だと債権者に棄却されそうだ?そんなときは弁護士と相談して給与所得者個人再生手続きに変更することでスムーズに個人再生が実行できます。
※これは裁判所に申請手続きをする前の弁護士との事前打ち合わせが必須です。

個人経営者の方の場合には、「小規模個人再生手続き」しか使えないので、ここで債権者に再生計画案を棄却された場合には次の方法を考えなければならなくなります。

個人再生手続きができる人の条件とは※パート・アルバイトはできる

個人再生で手続きができる人の条件は、

・住宅ローンを除く総負債額(借金額)が5,000万円を超えない

・定期的安定収入の確保が見込める(長期・将来的に渡って

上記2点が条件となります。

もちろん5,000万円の中には住宅ローンは含ませずに済みます。また、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)などもありますが、これは解釈が複雑なので担当の弁護士に相談してください。

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パート職やアルバイト職の方が個人再生できます。ただし先にお伝えしたように、将来にわたって長期的な安定収入確保の証明が必要となります。

派遣社員や準社員という方ですが、たとえば3月は19万円、4月は8万円、5月は11万円と各月の収入がまちまちな場合、「収入はあるが安定収入であるのか?」ということが論点となり、棄却の原因にもなりかねません。

また、「私はこの1年間、毎月20万円の収入がある」という証明が出せたとしても、派遣の特性として会社が派遣先を突如変更したりする場合も十分考えることもでき、それに伴い収入が激減する可能性もあります。従いまして派遣社員の方の個人再生はできないとは断言しませんが、再生計画案の内容に比重が置かれます。

個人再生の最低総支払額はいくら?返済は何回で最高何年?具体例教えます

個人再生は総借金額を原則、五分の一まで圧縮できるのですが、五分の一に圧縮した負債が100万円を下回る場合は100万円の支払いとなります。

また保険の解約金などが100万円を超えた場合は”どちらか高い方を支払っていく”ことになります。

例1:Aさんは1,000万円を個人再生します。五分の一圧縮で200万円です。でも生命保険を解約したら300万円!この場合は高い方の300万円が支払い対象額になります。

例2:Bさんは1,500万円を個人再生します。五分の一圧縮で300万円です。ところが直近で親族がなくなり遺産の分配金500万円が入りました。この場合高い方の500万円が支払い対象額となります。

例3:Cさんは400万円を個人再生します。五分の一圧縮で80万円ですが、この場合は100万円が支払い対象額となります。100万円よりも減額することはできません。

例4:Dさんは3,000万円以上5,000万円以下の残債務がある場合、債務総額の10分の1になります。

個人再生の金額 1/5圧縮金額 対象財産 対象財産金額 支払い対象額
例1(Aさん) 1000万円 200万円 生命保険の解約 300万円 300万円
例2(Bさん) 1500万円 300万円 遺産分配 500万円 500万円
例3(Cさん) 400万円 80万円 なし なし 100万円
 例4(Dさん) 3000万円~5000万円 300万円~500万円 なし なし 300万円~500万円
 知っ得ポイント1

給与所得者個人再生手続き(サラリーマンの方の場合)で、収入が多い場合にはそちらが支払いの対象額となる場合があります。財産は無い!圧縮したら100万円の支払い、でも収入は高収入という場合です。

 知っ得ポイント2

個人再生の弁済期間(返済期間)は特殊な事情がからむ場合を除いて3年です。特別な場合は5年が限度。基本的に3ヵ月に1回の支払い。

 知っ得ポイント3

滞納している住民税、所得税、健康保険料などの(一般優先債権は)個人再生に含まれことなく減額もされません。また、(共益債権)電気・ガス・水道などの光熱費、賃貸料なども再生中如何に関係なく期日通り支払う必要があります。

個人再生の流れと再生計画案の作成について

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個人再生の計画案とは、裁判所に提出後、裁判所から各債権者に送られるもので、債権者がこの計画案を見て個人再生を是認する非常に重要なものです。

もちろん依頼された弁護士と、とことん協議の上、実際に毎月支払っていける金額などや期間(いつからいつまで)などを算出して記載しますが、その計画案が債権者に納得いくものでないと「個人再生棄却」となります。

個人再生計画案は3年未満のもの(短期すぎるもの)は棄却されるので注意してください。

・・・流れ(簡素化してます)・・・・

・弁護士の選出

・裁判所に個人再生申請(申し立て)+面接

・開始決定(返済の開始ではない)

・債権・財産の調査(個人再生委員)

・個人再生計画案の提出

・債権者への議決・意見聴取

・認可・不認可の決定

・決定の場合、再生計画案に沿って返済スタート

・3年後返済完了/再生計画取り消し/この時点で残債を完全免除

※最後の「残債の免除」ですが、個人再生では返済中に残債が免除されているのではなく、完済時に初めて免除になることに留意!!

個人再生の棄却理由(裁判所に認めてもらえない場合)手続中含む

・再生計画案で3年未満と短いもの(2年で返済を完了予定の計画案など)

・再生計画案の提出期限の喪失(裁判所の期限内に提出できなかった)

※上記2点は基本的なことであるが、中には手続中に裁判所が債務者に申し合わせた事項を守らなかった場合も含む

・手続き中に5,000万円を超える他の借金が明白になった場合(5,000万円が上限のため)

・安定的収入源の喪失、要するに職を失ってしまった場合。個人再生は毎月の収入から返済していくため、仕事を失ったら返済できなくなってしまうから

個人再生手続きの弁護士の手数料(価格)

個人再生の(主に弁護士)費用ですが、任意整理とことなり、応相談のところもあれば、20万円~、30万円~と平均すら出すことは難しいものです。

また、手持ち住宅があるかないかでも手数料が違う弁護士が多いのが現状です。安いところでは着手金と報酬金を合わせて50万円くらいから。高いところでは60万円を超えるところもあります。

とても安いな~とは思えない額ですが、個人再生は裁判所を通じて債権者と交渉するもの!しかも債権者との交渉も一筋縄ではいかない場合もあり、これらに弁護士が各々対応していくことを考えれば妥当な手数料かと思います。

自己破産のいろは

自己破産のいろはです。本来、この手続きは極力避けたいものですが、任意整理や個人再生ではどうにも返済することができないような状態になった場合、”最後の砦”として自己破産を考えてください。

自己破産とは、裁判所を通じて借金(債務)を免責(0円)する法的手続きをいいます。もちろん「破産申立書」を提出したから免責許可が認められるという簡単なものではなく、本当に支払いができないのか?などを詳細に調査され、借財・収入!家、車、高価な資産など総合的な観点から自己破産させていいかどうかが決定されます。

要するに、裁判所に申立人が本当に返済ができないのかどうか”「返済(支払い)不能」と認められた段階ではじめて破産手続き開始決定”となります。

債務者がどんなに頑張っても、返済する意思があったとしても、経済的な破綻が明らかとなった場合です。

メリットとしては、(国税や市県民税などを除く)すべての債務がチャラにできること!しかし、デメリットも非常に多いので、かんたんに”自己破産しよう~”などと考えないでくださいね。

免責許可決定|自己破産で借金が免除されるまでの2ステップ目

自己破産で支払いを免除されるまでには2ステップ必要です。

自己破産で借金(総債務)を免れるには次の2ステップを踏むことになります。

・免責許可の決定

・破産手続き開始決定

この2つをクリアしないと自己破産もできないということになります。それでは一つずつ見ていきましょう。

まず免責許可の決定ですが、これは”裁判所の審問裁判官(審尋)が行う、破産手続き開始決定までの聞き取り調査”のようなものと思ってください。これが第1ステップ!

依頼した弁護士と作成し裁判所に提出した書類を元に、審尋(しんじん)が行われます。

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あくまでも審問裁判官に対する申立人からの自己申告回答であり、破産に至った経緯や理由を事細かく答えていくことになります。

ただし免責許可決定に関する審問裁判官への回答は嘘の内容を申告するのは御法度です。

万が一答弁の内容にウソがありバレてしまった場合には、免責許可決定が降りないことになります。

ポイントとしては誠実に真実のみを伝えるということです。

次の破産手続き開始決定とは、先の免責許可決定で審尋された内容を元に”裁判所に自己破産の申立人(申請者)に「支払い不能」と認定されること!”これが第2ステップ。
そして破産の手続きが開始となります。この段階で裁判所に支払い能力ありと判断された場合は自己破産できなくなります。

破産手続き開始が決定されたあとに「破産管財人の選出」が裁判所によって行われます。これは自己破産時に債権者に対して均等に配当できる換価物があるかどうかを精査する管財人です。

また、財産や資産が一切ないという場合には、次でお伝えする”自己破産の同時廃止決定とはなにか?”を参考にしてください。

 知っ得ポイント

自己破産申し立てから最初の審尋の呼び出しまでは、各裁判所のスケジュールにもよりますが、概ね1,2か月後となっているようです。

自己破産の同時廃止決定とはなにか?

個人の場合に限定してお伝えします。会社などの倒産では、返済できる現金は用意できなくても事務所や土地。工場などの場合は工場と中の機械など、売却して負債の一部を債権者への配当ができる可能性があります。

この仕事(財産・資産の精査)は裁判所が認定した「破産管財人(弁護士や司法書士→債務整理を依頼した弁護士ではない)」が行います。

ことろが破産を検討せざる負えない個人の場合は、主だった”資産”を持っていることが皆無に近いので資産を整理する破産管財人を必要としません。

破産手続きとは破産管財人が集めた資産を債権者に均等に分配することですので、分配するものがない場合は・・・

・破産手続きができないので「破産手続きの廃止」
・資産の精査がないので破産管財人が不要「破産管財人の廃止」

この2つの廃止を破産開始手続き(旧呼称:破産宣告)決定のときに同時に行うので”同時廃止”と言います。

要するに裁判所が申立人には返済能力なしと認めた場合に同時廃止になります。
もちろん債権者に分配できるような資産を持ち合わせていた場合には同時廃止は行われません。

また、管財事件となった場合(少額管財事件含む)、破産管財人に支払う手数料は申立人(自己破産をしようとしている人)の個人負担となります。

破産管財人へ支払う報酬(手数料)ですが、管財事件および少額管財事件でその金額は異なります。目安としては20~50万円前後になる場合が多いです。(もちろん管財事件の内容により増える事例もある)

 知っ得ポイント

少額管財事件は”依頼した弁護士が裁判所への申し立てをすることが受理条件”となります。自己破産を使用としている本人が申し立てをした場合には”管財事件扱いになるので注意”してください。

管財事件よりも少額管財事件の方が弁護士に支払う報酬も安くすむ場合があります(手続きが早く、破産決定までの時間も短くて済む場合が多いから)。

予納金は自己破産の場合、絶対納めなければいけないのか?

予納金とは、自己破産の手続きには多くの費用が掛かるため、予め申立人(破産をする人)が裁判所に納めておくお金です。

治めなければならないものです!

主な内訳としては・・・

・手数料(破産手続きの内容により金額は違う)

・切手代(債権者への文書通信費)

・公告費(官報)への掲載用費用

これらは同時廃止事件・少額管財事件などによっても変わりますが、少額管財事件の場合の引継ぎ予納金(基本200,000円)などが必要になる場合があります(裁判所により金額が異なる場合あり)。

債務整理の中でも一番複雑なシステムですので、詳しくは依頼した弁護士に相談してください。

同時廃止の時の予納金は概ね2万円~3万円前後となります。

どこの裁判所に自己破産を申し立てればいいのか?自分で選ぶの?

自己破産を申し立てる裁判所ですが、所轄の地方裁判所となります。所轄とは、債務者が実際に住んでいる(住所)を管轄している地方裁判所です。

ですが、多くの方が弁護士や司法書士を仲介代理人に依頼するので、個人のみで破産申し立てをするとき以外は不要な考えです。

自己破産が認めてもらえない|免責不許可事由とは?

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裁判所に「あなたの自己破産は認めません」となってしまうのが免責不許可事由です。

この部分は自己破産のキモとなる重要な部分なので注意して読んでください。

まず、不許可になる理由ですが、「支払い能力がある」という判断だけではなく、たとえ支払うことができなくても次のような事由に該当した場合には免責不許可となってしまいます。

  • 審尋裁判官に虚偽の報告(証言)をした場合
  • 債権者を貶めたり被害を与えたりする目的があると判明した場合
  • 他に財産や換価できるものを隠し持っていた場合
  • Aという債権者に特別利益供与目的で、担保を提供し弁済させる
  • 破産管財人の調査を妨害するような行為
  • ギャンブルや浪費により支払い不能に陥った場合

まだまだありますし、各裁判所の個々の裁判官の判断もありますので、100%コレだ!とは申し上げられません。

自己破産の資格制限・職業制限について|免責決定まで従事できない仕事

自己破産をしたら就労できない仕事があるときいたが、どんな職業なのか?私の業種は大丈夫かな?こんな心配の方へ!!

最初にお伝えすることは、就労できない期間についてです。よく勘違いされることとして、「自己破産したらその後10年間は資格制限がある」というもの。

でもそうではありません。

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自己破産申し立て→自己破産開始決定→免責決定!

この期間内だけ資格制限があります。この期間はだいたい1ヵ月~2ヵ月です。

免責が決定されると資格制限は解除されます。

自己破産の資格制限がされる職業(主なものをピックアップし詳細は省きます)

・証券会社の役員
・信用金庫の会員、役員
・日本銀行の役員
・貸金業
・質屋
・旅行業者
・警備業者(警備員含む)
・建設業
・測量業者
・卸売り業者
・鉄道業者
・調理士
・宅地建物取引業者
・弁護士
・司法書士
・弁理士
・公認会計士
・税理士
・行政書士
・社会保険労務士
・公証人

まだたくさんあり、同じ職種でも役員はダメだが一般職はOKという複雑な規定があるので、もし自己破産申請を検討したときに自分の職業に不安を覚える場合には弁護士や司法書士に相談してください。

よくあるそのほかの悩みで資格制限後、自分は会社に戻れるのか?クビにならないのか?と思う方が多いのですが、自己破産を理由にした解雇は違法行為なので、雇先が破産者をクビにすることはできません。

ただ同僚に自己破産の事実が万が一知られたな場合、会社にいずらくなることはあるでしょう。

自己破産でローン中の家や車はどうなるのか?

自己破産で免責が決定すれば、すべての借金がなくなります。当然ローンもなくなります。

ですが、家や車は、家は銀行に差し押さえられ、車もローンを組んでいる銀行や自動車ディーラーが差し押さえます。

自己破産にかかる弁護士や司法書士の手数料(価格)

この手数料に関しても個人再生手続きのように”いくらです”とは申し上げられません。弁護士や司法書士事務所で規定した金額となります。

その多くは費用応談のところが多く、その理由としては債権者の数や総負債額などで煩雑性が異なってくるからです。

ですが手数料を公表しているところを見ると、概ね300,000円~500,000円が相場となっているようです。

特に自己破産手続きの費用の面で留意したいことは、任意整理や個人再生のでは発生しない少額管財事件の場合の引継ぎ予納金や管財人への報酬などが発生することが考えられるので、50万円以上の手数料はかかってくると思います。

【参考】

今回は、債務整理のいろはとして、任意整理、個人生成、自己破産のいろはをご紹介してきました。

”いろは”というのは、「物事を習う、知る場合の事始め」と捉えられており、いろは歌として物事を習得するときの順序(初歩)として古くから用いられている言葉です。

いろは歌の作者は弘法大師空海とされており、歴史上はじめて確認されたのが「金光明最勝王経音義」1079年の承暦(じょうりゃく)3年ころと言われています。

よく知られているところでは日光のいろは坂や、狂言の以呂波として知られています。