テレビや冷蔵庫、ゲーム機などは自己破産で差し押さえされない自由財産なのか

自己破産には、破産財団※1に含まれない財産があります。

もともと自己破産は債務を整理して「破産者の社会への復帰」が主眼であるため、すべての財産が差し押さえ(没収)されるわけではないのです。

ここでは、どのような財産が差し押さえの対象となり、どのような財産が手元に置いておけるものなのかをお教えいたします。

※1→破産財団とは、債権者に分配する私有財産の総称

自己破産で差し押さえられない財産

先にもお伝えしたとおり、自己破産は破産者の社会復帰を目的に実施される法的手続きなので、すべての財産を差し押さえしてしまうと破産者がその後生活することが困難になる背景を鑑みて、以下のものは没収されません。

これらは自由財産(差し押さえ禁止財産)と呼ばれており、破産後の生活に見合わない高価なものを除き、必要最低限で所持可能とすることができます。

まず生活に必ず必要になるもの「衣食住(電化製品)」関連です。もちろん自己破産には財産をチェックする破産管財人が入る場合が多いので、自己破産する方が所有するものによっては、差し押さえされ処分される財産も当然でてきます。

・テレビ

テレビは現在では薄型テレビが主流です。

この場合、たとえば家に3台のテレビがある場合は、1台を自由財産として残して差し押さえは免れ、残りの2台は破産財団に入る例がほとんどです。

また、家庭によっては1台数十万円もするテレビがある場合には、一番低価格と思われるテレビを残して他が差し押さえられるケースがあります。

・冷蔵庫

冷蔵庫はほとんどの家で1台という場合が多いので、価格に関係なく残せる場合がほとんどです。

ただ、その冷蔵庫が1台100万円以上もするような場合、破産管財人の指示で生活に必要最低限な安価な冷蔵庫を調達し、現在手元にある冷蔵庫は破産財団に回される場合もあるでしょう。

・その他家電

一般的に考えて、通常の生活に必要な家電は自己破産の場合でも自由財産で没収されません。

パソコン、冷暖房器具(エアコン)、扇風機、電子レンジ、掃除機、ドライヤー、炊飯器などです。

ただ、これらも複数台ある場合には1台を残して他の同種家電は破産財団に回される場合があります。

・ゲーム機とソフト

ゲーム機や関連ソフトも通常の所持(趣味程度での所有)の場合は差し押さえされません。

もちろん他の家電と同じように、数多のゲーム機やソフトを所有しており、中にはプレミアがつくようなソフトを所有していた場合は処分の対象となる場合があります。

・衣服(高価なものを除く)

自己破産では衣服も自由財産です。春夏秋冬に必ず着るであろう一般的な衣服は自由財産で残せます。

ですが、ミンクの毛皮、高級ブランド(服・バッグ・財布)などは処分の対象になることが多いです。

・仏壇

仏壇は自己破産でも没収されません。もちろん位牌や仏具一式も差し押さえされません。

※破産後に仕事をするための道具や工具も自己破産の差し押さえ対象外です。

自己破産手続きを開始した時点で持っている財産を破産財団に関するものとし、自己破産手続き開始後に取得した財産については差し押さえの対象になりません

たとえば、破産手続き開始したあとに仕事で収入を得た、知人からテレビをもらった、車を買ったなどの場合は差し押さえの対象財産とはなりません。これを新得財産といいます。

自己破産の差し押さえ財産になるものでも、破産管財人が「これは転売しても現金にならない(換価弁済)」とその財産を放棄した場合には自分のものとして残せます

自己破産で差し押さえられる財産

テレビやゲーム機などの家電と異なり、債権者に弁済するための差し押さえ物は以下のものです。

・99万円以下の現金、20万円以下の預貯金

99万円以下の現金は差し押さえ禁止財産となっています。ただし自分が現に所持していなくてはなりません。

20万円以下の預貯金については、破産手続き前に引き出しておいて、通帳の額面を20万円以下にする行為は禁止されています。これを行うと免責許可決定の判断で不利になる場合があります。

・その他の差し押さえ財産

不動産、車、骨董品など、換価弁済で転売して債権者に現金として分配できるものは差し押さえられます。

車の場合は車買取などで市場価値が20万円を下回った場合は自分のものとして乗り続けることが可能です。20万円以上の価値が認められた場合には差し押さえ財産になります。でもこれは車のローンを完済している場合のみです。

ま~テレビや冷蔵庫といった生活に絶対に必要になってくる白物家電、ゲーム機などは基本的に差し押さえ財産にならずに各1台は残せるので、自己破産を検討していてもその点は安心していいと思います。